【戦争ルール続編】ベトナム戦争で気象兵器を使用?あの映画の世界は起こり得るのか?

ミリタリー

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マスター
マスター

ヴィッキー?

何をしているのだ?

ヴィッキー
ヴィッキー

みぃ~たぁ~なぁ~
明日は、戦車の貯金箱を買いに行くから、
お天気が良くなるように気象兵器を作ってるの~!

マスター
マスター

・・・。

それって、ただのてるてる坊主では…?

ヴィッキー
ヴィッキー

ち、ちがうもん!

気象兵器だもん!

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てるてる坊主という気象兵器???

地震や大雨、ハリケーンや台風など、
異常気象が起こると度々ささやかれるのが、
「気象兵器」だ。

漫画「パタリロ」の中でも
人工的に雹(ヒョウ)を作る装置が出てきたり、

近年では映画「ジオストーム」で
気象をコントロールする人工衛星が描かれたりしている。

人工的に気象を変える技術の研究は禁止されていないが、
この技術を軍事的に使うことは禁止されている。

今回は、前回の「戦争のルール」に引き続き、
続編として「気象兵器」について考察してみよう。

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気象兵器とは?

気象兵器とは、
「気象改変技術」というテクノロジーを、
軍事目的で利用した兵器のこと。

自然現象を操作することで、
台風・嵐・竜巻・豪雨や地震なども人工的に発生させ、
敵対する国やその地域を自然災害で壊滅させるのが目的。

ベトナム戦争では、
「ポパイ作戦」で、
人工的に大雨を降らせたことが記録されている。

マスター
マスター

では、大雨を降らせると、どうなるのか?
もう少し詳しく「ポパイ作戦」について解説しよう。

ベトナム戦争で実施された「ポパイ作戦」とは?

気象を人工的に操作する技術を
初めて実際に戦争に用いたのが「ポパイ作戦」だ。

これは、ベトナム戦争の頃、
アメリカ合衆国が1967年~1972年にかけて行ったとされている。

アメリカは、
木々の茂るジャングルやトンネル内を移動する
北ベトナム兵には、空爆や砲撃は難しく苦戦していた。

そこで、雨を人工的に降らせ、
雨季を長引かせる作戦に出た。
こうすることで、
・川が増水する
・地盤がゆるむ、ぬかるむ
・土砂崩れが発生
…という状態になる。

その結果、
・物資を届けるのが困難になる
・物資の補給、軍行ができない
・前線の部隊が孤立する
ということが起こる。

ヘリコプターで物資を届けるなど、
航空輸送手段がない当時の北ベトナム軍にとって、
雨で陸路が使えなくなるのは、かなり不利となった。

ヴィッキー
ヴィッキー

でも、どうやって人工的にお天気を変えるの?

マスター
マスター

よし、では次にその方法を説明しよう!

どうしたら気象を改変できるのか

机上の空論から脱することができないが、昔からよく言われている方法で

1.人工降雨
2.人工台風
3.人工地震

が、ある。

どんな方法なのか、少し難しいけど説明しよう。

1.人工降雨

人工降雨については、
いろいろな方法が研究されている。

上記の「ポパイ作戦」の他、
中国の北京オリンピック開会式を晴れにするため、
開会式前に雨を降らせ、雨雲を消したことも有名だ。

人工的に雨を降らせる技術は、
現在、世界50か国で研究が進められている。

もちろん、
日本でも人工降雨の研究は行われている。

雨を降らせる技術の研究・開発

ヨウ化銀を使った人工降雨の方法

準備として、
空気中にヨウ化銀とアルミニウムの粒子を散布しておく。

ヨウ化銀は空気中の水蒸気の核と結びついて、
水蒸気となりそれぞれが集まることで、
雲を発生させる。

すぐに雨を降らせたい場合は、
雲がある程度成長したところで、
雲に向かってマイクロウェーブを照射すると、
アルミニウム粒子が発熱し雨が降るという仕組み。

ただし、
とてつもなく巨大なマイクロウェーブ発生装置が必要なので、
現実的なものではなく、あくまで原理としての話だが・・・

液体の二酸化炭素「液体炭酸」を使う方法

日本では、筑波大などのチームが、
雲を成長させる効果がある
「液体炭酸」という液体を上空でまく手法で、
人工的に雨を降らせる実験に成功している。

手順は、

  1. 雲の中に液体の炭酸をまく
  2. それが蒸発するとき、周りの温度を急激に下げる
  3. すると、たくさんの氷の粒が発生。
  4. 氷の粒に、周囲の水滴がつくとどんどん重くなり、
    地上へ落ちる。

上空では気温が低いので、
粒は「氷」の状態だが、
地上に近づくにつれ温度が上がり、
水、すなわち「雨」となる。

ヨウ化銀などをまく方法より、
液体炭酸のほうが低コストで雨量も多いという。

2.人工台風

これもマイクロウェーブ装置が必要なのだが、
マイクロウェーブ装置を人工衛星に搭載して、
地球の上空を衛星軌道で周回させておく。

台風を発生させたい場所に移動させて、
宇宙空間からマイクロウェーブ装置で、
海水の温度を上昇させることで、
台風が発生するというもの。

しかし、
台風の発生には気圧と海水温の関係もあるので、
成功率は極めて低くく、人工降雨のように
巨大なマイクロウェーブ装置が必要なため、
現実的には難しいと言える。

3.人工地震

これは、
地球の地殻(大陸プレートの接合部分)近くで
「核爆弾」を爆破して、
地殻運動に対して人工的に変化を与えてきっかけを作り、
大陸プレートがはじけると地震が発生するというもの。

しかし、
大陸プレートをはじけさせるためには、
広島型原爆が3万2千発相当必要とのことなので、
まったく現実的ではない。

映画「ジオストーム」の世界は起こり得るのか?

非現実的ではあるけれど、
テクノロジーが進んで、
これらの気象改変技術が将来現実になる可能性もある。

同時に、地球の自然システムに
人間が手を加えること自体が、自然破壊になることは間違いない。

表向きには、食糧難の抑制とか、地球環境改善という
大義名分のもと、技術革新が行われている。

しかし、
使い方を変えるだけで、
戦争の道具として転用も可能であることを、
私たちは認識する必要がある。

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ヴィッキー
ヴィッキー

人工的に気象をコントロールするって、
悪用されたら怖いよね

マスター
マスター

前回の「使用禁止兵器」では書かなかったが、
気象兵器も戦争に使ってはいけないって条約があるんだよ

気象兵器、使用してもいいの?

1977年5月18日「環境制御会議」で、
気象兵器を制限する「環境改変兵器禁止条約」が、
スイスのジュネーヴで採択された。

これは、環境改変装置を軍事的に使用することや、
敵対的に使用することを禁止する条約となっている。

英語の条約名称は

Convention on the Prohibition of Military or Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques 
(ENMOD)

…で、

「環境改変技術敵対的使用禁止条約」や
「環境破壊兵器敵対的使用禁止条約」などと、
呼ばれることもある。

1978年10月5日にアメリカは、
この条約を国防軍に適用を開始し
日本では、
1982年6月4日に国会承認され条約に加盟することになった。

この条約の中での、「環境改変技術」とは、

自然の作用を意図的に操作することで、
地球の環境(生物・地表や地殻・大気)、
宇宙空間に至るまでの構造、組成や運動に
変更を与える技術とされている。

尚、冒頭にも記載したが、
「軍事目的の使用は禁止」されているが、
干ばつ(水不足)対策として、
人工的に雨を降らせるなどはOKとされている。

ヴィッキー
ヴィッキー

ん~…
水不足は深刻な問題だけど、
人間がお天気を左右するなんて、
やっぱり良くない気がする~

マスター
マスター

ま、てるてる坊主くらいなら良いけどね。

マスター
マスター

ところで、ヴィッキーが欲しがっている戦車の貯金箱、
買いに行かなくてもamazonにあったよ

ヴィッキー
ヴィッキー

え・・・。あ・・・、ポチッ!

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ソフィー
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「使用禁止兵器」についての

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